2nd Episode 『二度目の偶然 【Coincidence】』

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なんとも自由なカフェ

コーヒー豆の販売店にオーダーしていた幻のコーヒーといわれたインドネシア スラウェシ島産カロシ・トラジャが入りました

ちょっとしたイベントに寄るついでも有り、車で販売店まで出掛ける途中の信号待ち、歩道を歩く女性と目が合って「あら、先日、お店にいらっしゃった方ね」

「今日はお休みですか? 後でカフェに行こうかと思っていたんです」

「お休みというか、午後から開けようかしらって思っていたの」

「私、ひとりだけなので用事がある時はこんな感じ、っふふ」

なんとも自由なカフェ

一件仕事の打ち合わせを終えて、もう日が暮れ始めた通りは帰宅を急ぐ街

時々、車のライトを眩しく感じながら角を曲がると緩やかな上り坂、少し緑が増えて夕暮れの空が綺麗

先の丘には大きな家々が立ち並ぶ、その坂の途中にCafe Kei’sはある

ドアベルの音が鳴り、空間が少しずれた感じがして、パラレルワールドがあるのならもしや?って思う

「あら、早かったわね」

慣れたようにカウンターへ

「この前と同じコーヒーを頂けますか?美味しかったので」

オーナーKeiは紺地に小さな花柄ワンピース、袖が軽く揺れるとコーヒーの香りが広がって来る

そう、この香り、遠くを見つめて感覚を探る

懐かしいのか、新しいのか、嬉しいのか、淋しいのか

ただ、静かな時間が流れて行きました

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