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オーナーのKei、スタッフのNana、友人、カフェに訪れるお客様が登場人物となり繰り広げられるエピソードの数々、過去から現在、そして未来へと続く不思議な記憶の鏡を通して、ファンタジーでミステリアスなストーリーが、非日常と隠れ家的な癒しをお届けします
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13th Episode 『霧雨と月明かり 【Drizzling and Moonlight】』
視覚の隅に映った予感 霧の様な雨が降る朝、いつになく頭がすっきりしないのには理由がある 現場との打ち合わせが終わり、スケジュールの調整などの詳細を検討するために依頼元の企業へ向かう車の中「あ~あ、言ってる事が全然違うよね、どうなってんのよ... -
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12th Episode 『音色の波紋 【Ripple】』
美しいピアニストの風 扉を開けて、耳に飛び込んでくる音色に、コーヒーの香りが波紋の様に広がり纏わり付く感触を覚える 何とも隙のない完璧な音色の主はピアニストのAmiさん、常連のお客様で、時々、カフェでミニコンサートを開いている 今日は珍しく一... -
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11th Episode 『意図 【How do you mean?】』
春が近づいているせいかしら 日にちが変わるころからお天気が崩れ始めると天気予報が言っていたが、全然、その気配は感じられない綺麗な夜空にはキラキラと星が輝いている 最後のお客様を見送り、外灯を消すと静まり返ったカフェのカウンターに座って溜息... -
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10th Episode 『揺れる心 【Mixed feeling】』
何かが足りない お陽さまが照らしている窓際は暖かく、薄着のまま外に出てしまいそうな午後、ぼんやりと眺めながら一杯のコーヒーを口にする 車が入ってくるのが見えて、エントランス近くへ 常連のお客様、Shoさんが寒そうに首をすくめて入って来た ポケッ... -
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9th Episode 『些細な出来事から 【Butterfly effect】』
爽やかな笑顔は扉の向こうへ消えて行った 春の足音がかすかに聞こえてきそうなこの季節、新旧の入れ替わりや別れとスタートが混在している 先週からオーナーKeiのブレーンの一人でもあり、カフェのお得意様、Miyuさんが頻繁に打ち合わせに来ている 新メニ... -
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8th Episode 『負の魔法 【Negative Magic】』
誰かを待っているのかもしれない 「忙しそうね」 オーナーKeiのブレーンの一人でもあり、カフェのお得意様、Miyuさん、ゆっくりコーヒーをかき混ぜてひと口 実は、あまりそんな事は気に留めていない事はわかっている 慌ただしいカフェのカウンターの一角だ... -
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7th Episode 『鍵の行方 【Whereabouts】』
古代ローマの夕暮れに思いが馳せる 数週間過ぎても問い合わせの無い忘れ物はレジ下の引き出しでひっそりとその時を待っている 「そろそろ、暗くなって来ましたね、外のライトを点けますね」 お天気が良かった日の西の空は、まだ、光っている 奥の客席で笑... -
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6th Episode 『別世界への扉 【Alternate dimension】』
きっと一人ではないと感じる スライド式の窓を開けると空から風がするりと入って来てNanaの髪を揺らしている 「今日は静かですね」 「そうね、じゃ、足りないものを買いに行ってもらおうかしら」 軽いステップで晴れた陽の中へ飛び込んで行った 「わかりや... -
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5th Episode 『苦い記憶 【Bitter Memory】』
なんだろう、この雰囲気 通りの風船、子供たちの歓声、大通りに入ってすぐのショッピングセンターが賑やかな午後、 「イベントか何かやってるのかな」カフェの忙しさの理由が気になる Nanaも少し慣れて来て、馴染みのお客様からも声をかけられ楽しそうに会... -
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4th Episode 『記憶の忘れ物 【Lost item】』
内ポケットの中の異次元 (ガサガサ、ゴソゴソ) 「あれ~また、どっかいっちゃった、もう、面倒くさいなぁ」 Nanaが大きなバッグの中を覗き込み何かを探している 「あった、あった、もう、いつもどこ行ってるのよ」 くすっと思わず笑ってしまうけど、度...