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オーナーのKei、スタッフのNana、友人、カフェに訪れるお客様が登場人物となり繰り広げられるエピソードの数々、過去から現在、そして未来へと続く不思議な記憶の鏡を通して、ファンタジーでミステリアスなストーリーが、非日常と隠れ家的な癒しをお届けします
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41st Episode 『ハニーとバターと生クリーム【Honey、butter、and whipping cream】』
側溝にはまっちゃった 「ちょっと、Nana、どうしたの!一体、何があったの!?」 「すみません、遅くなっちゃって」 「そんな事いいわよ、それより、何?足、怪我しているじゃないの」 「よくわからないんだけど、帰りに後ろから急に誰かがぶつかって来て... -
40th Episode 『いったい何があったの?【What’s going on?】』
ぴゅーっと風音 カフェの重い扉がふわっと浮いてドアベルが鳴る スライドの窓ガラスを少し上げるとぴゅーっと風音の叫び声 「なんて風なのかしら」 「オーナー、台風並みの低気圧の影響だそうですよ、さっき、ネットニュースで言ってました」 「そうねぇ、... -
39th Episode 『Metroで会おうね【I’ll see you in Metro】』
アメリカにいた頃は 「今日も忙しかったわね、お疲れ様」 「オーナー、夜は眠れてます?」 「ええ、カフェが忙しいのはいい事ね、疲れてぐっすりよ」 「そうですね、オーナーも帰り道は気をつけて」 「じゃ、また明日、Shintaroさん、安全運転でよろしくお... -
38th Episode 『くつろぎのカフェ【Chilling Cafe】』
それ、最高だわぁ 「先日はお世話になりありがとうございました、今日は娘とお茶しに来ました」 先日行われたミニチュアクレイクラフト教室のKiko先生とその生徒さんの展示会打ち上げパーティーが盛況で、その評判は街でも話題になっていた 「いつも母がお... -
37th Episode 『謎の人影【Mysterious figure】』
新しい豆を挽く 「今日は暑いね、もう夏みたいだよ」 「そうですね、暑くなって来ましたね」 毎日いらっしゃるお客様、Konさんがカウンターで珍しくアイスコーヒーを飲んでいる 「夏でもホットコーヒーがいいって言ってなかったっけ?」 「そうなんだけど... -
36th Episode 『大粒の涙【Teardrops】』
涙の理由 「良かったです、少し落ち着かれた様で」 「あなた方に心配かけてしまうなんてね、頼りなくてごめんなさいね」 「そんな事言わないで下さいよ、オーナー、私達は嬉しいんです」 「そうね、やっとこうやって三人で共有出来る様になったんですもの... -
35th Episode 『時の流れ【The flow of time】』
オープンカーで颯爽と 明け方まで降っていた雨が上がり、朝の陽が差し込み始めると木々の緑がキラキラと光る 「春も一瞬で過ぎ去っていくわねぇ」 Miyuさんがモーニングコーヒーを味わいながら窓の外を眺めている 「Miyuさん、モーニングコーヒー、はまっ... -
34th Episode 『前世の記憶【Memory of the previous life】』
ニューヨークの空港で 「オーナー、オーナー、大丈夫ですか?」 呼ぶ声が次第に大きく聞こえ、ぼんやりと視界が開けて行く 「大丈夫ですか?」 二人が心配そうに覗き込んでいるのがはっきりと見え、思わず辺りを見渡す 「大丈夫、ここはカフェです」 「オ... -
33rd Episode 『真実は霧の中【The truth is in the fog】』
託された思い それは遥か昔の話し、とある一国の王がこの世の最後に残した言葉を知るものは限られていた その王には跡継ぎとなる子は無く、臣下の間ではその後の混乱を避けるための策が討議されていた 王はその父からその座を受け継ぎ王となったが、古いし... -
32nd Episode 『夢の続き【The rest of dream】』
これはどういう事? 見上げたそこには、はらはらと舞う美しい花びら、そして、丸く大きな月が夜空に浮かんで辺りを照らす 何とも言えない華やかな香りがくすぐる 「夜風は体に障りますよ、そろそろお戻り下さい」 聞き覚えのある声に振り返るとそこには何...