81st Episode 『胸騒ぎ【Feel uneasy】』

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金色のオーラ

「何時に待ち合わせなの?」

「そろそろ、って、なんでMiyuさんまで来てるんですかぁ」

「コーヒー飲みに来たんですけど何か?」

「ふふ、良いじゃありませんの、私が話したんですから」

「何でも話しちゃうんだから、こんな小さな事がこ~んなに大事になるし」

「照れる事ないじゃない?でも、何?スカートでも履いたら?ちょっとお洒落したらどうなのよ」

「照れて無いし、それにお洒落して行く所でも無いし」

「いいじゃありませんの、十分似合っていますわよ」

ドアベルが鳴り、Jinさんが顔を覗かせる

「やぁ、Nanaちゃん、もう出られる?それともコーヒー頂いて待っていようか」

開いたドアから眩しいオーラがなだれ込む

「Jinさん、ちょっとばたばたしていたのでごめんなさいね、その間、少し喉でも潤して下さいな」

「じゃ、アイス貰おうかな」

「Jinさんすみません、すぐ出る用意しますね」

「全然問題ないよ、慌てなくていいよ」そう言って優しく微笑む

「こんにちは、Nanaの親戚みたいなものです、今日はよろしくお願いしますね」

「あ、はい、こちらこそよろしくお願いします」

「ふふ、Miyuさんったら、Jinさんがかしこまっちゃうじゃないですか」

濃厚で香ばしい香りがフワフワと泳ぐように広がる

「いい香りですね、ちょうどアイスコーヒー飲みたかったんです」

「そう?それなら良かったわ、さぁ、どうぞ」

「アイスなのに香りがしっかり伝わって来ます」そう言ってひと口、じゃなくてゴクゴクとほとんどを飲んでしまった

「あ~美味しい、どんどん喉を流れて入ってしまいますよ」

「でしょう?この人のアイスコーヒーは、皆、お替りが必要なのよね、お替りする?」

「ふふ、Miyuさん、Jinさんはこれからお出掛けですからね」

「そうだったわね」ペロリと舌を出して首をすくめる

「じゃ、オーナー、Miyuさん、行ってきます、Jinさんお待たせしました」

「お陰で、美味しいコーヒー頂けたし」残った一口を飲み干して席を立つ

「気を付けていってらっしゃいね、遅くなる様なら電話して頂戴ね」

二人が消えたドアの隙間からキラキラと陽の光の様な、オレンジがかった金色のオーラがまだ舞っている

MiyuさんとオーナーKeiは急に真顔になり、顔を見合わせる

「ちょっと、あの人って」

黙って頷くオーナーKei

「二人で行かせていいの?あの人只物じゃないんじゃない?」

「Nanaは気が付いていないのに、なんて言ったらいいんですの?」

「あのオーラの色って、あれよね?一人だけよね、見た事あるの」

「ええ、でも、まさか」

「Shintaro君は今日の事知ってるの?」

「どうかしら、Nanaが話しているかどうかは聞いてないですわ」

「そうだよね、まだ、決まったわけじゃなし、でもさ、あの子達の記憶には無いはずでしょ?だって会った事ないでしょう?」

「ええ、王様に拝謁する機会は無かったと思いますわ」

「これがあなたの言っていた胸騒ぎなのね」

黙って頷き、深いため息が流れた、その時、ドアベルが鳴り、開いたドアからブルーがかったシルバーの光が眩しく入り込んで来たのでした

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