ごちゃ混ぜになってるよ
「Miyuさん、大丈夫ですか?」ゆっくりと目を覚ますMiyuさんを気遣うNana
「あ~身体が重くてだるいわ、あなた達は何ともないの?」
「もう、慣れてますから平気です」
「私も最初は同じでしたよ、妙に頭だけすっきりしてて、なのに身体が引きずる様に重く感じるんですよね」
「そうそう、そんな感じよ、鉛の様に重いわ」
「今日はもう帰ってお休みなった方がいいですね、送りましょうか」Shintaroさんが心配そうに見つめる
「そうですわね、ちょっと運転して帰るのは心配ですわ、良かったらうちにいらっしゃいますか?Miyuさん」
「わぁ、いいな、オーナーの家、私も泊まりたいです」
「あれ?明日、午前中に仕事入っていただろう?Nanaはちゃんと送ってあげるよ」
「あ~そうだった、うーん、残念、だって、オーナーのお屋敷はあの高台の高級住宅街なんだよ、夜景も綺麗だって、見てみたいな」
「ふふ、そんな、お屋敷だなんていう程立派なお家じゃありませんよ、それに、Nanaはまた、いつでも来られますよ」
「でも急で申し訳無いじゃない?いいの?私の家だってここから近いのにさ」
「まぁ、皆近くではあるけど、車の運転が心配ですのよ、ところで、Shintaroさんのお家は遠いのかしら?」
「そうですね、たぶん、この中では、でもNanaの家から車で10分程度先に行った所なので大して変わりは無いです」
「そうなの?そんな近くなら、一緒に住んだら良いのに」
「ええええ~~~!!またまた、爆弾発言!」
「あら、だってその方が安全だし、心配無いじゃない?お家賃も半分で済むでしょうに」
「だめだこりゃ、元母、前世と現世が完全にごちゃ混ぜになってるよ」
「あはは、確かにMiyuさん、混乱してますね」
「ん~~?そう?そうかもね、あはっ」
「そうですわよ、現世では、この二人はまだ、縁組してるわけではありませんわよ、ふふっ」
「そっか、まっ、いいよ、なんでも、それよりさ、ちょっとお腹も空いたし、この前の店に寄ってからオーナーの家行こうか」
「ええ?めっちゃ元気じゃないですか、お酒飲む気ですか?」
「そんなに驚く事?ちょっとだけしか飲まないわよ」
「あぁ~ずるい~私も行きたいし、飲みたいのに、てか、もうお泊りする事になってるっぽいし」
「ふふ、いいじゃないですか、元姉妹、水入らずでの話しもありますわよ」
「私は元娘なのに一緒に連れて行ってもらえない」
「Nanaがそんなに飲みに行きたがるの珍しいな?何が飲みたい?ビール?ワイン?」
「なんかさ、気分が上がっちゃったままなんだよね、何でもいいよ、飲めれば、あのお店、素敵だけど高そうだもん、自分では行けない」
「あはは、そうか、じゃあ、今度連れて行ってあげるよ、そんなに飲みたいのなら、今日はコンビニでビール買ってNanaの家で飲む?」
「ん?あっ、でも、うちで飲んだらShintaroさん、車は?運転出来ないじゃん?」
「そりゃ、出来ないでしょ?Nanaの家に泊めてもらうかな」
「あら~いいじゃない?それも、Shintaro君がいてくれたら安心だわぁ」
「元母、悪乗りしすぎだよ」
「冗談だよ、大丈夫、俺は飲まないから」
「一人だけ飲んでもつまんない、もう、いいや、気分下がった」
「何言ってんだか、アメリカにいた頃はしょっちゅう家に来て、勝手にゲロゲロに酔っぱらって、そこら辺でいつも寝てた人がよく言うよ」
「うわ~やめてShintaroさん、その辺の話しはやばいって」
「まぁ、何て事ですの?Nanaったらそんなはしたない事を?」
「あ~あ、そりゃ、やばいわねぇ、Nana、でも、ゲロゲロじゃなくてベロベロじゃない?」
「ふふ、いいんですのよ、この二人はアメリカ帰りだから日本語が時々、ちょっと可笑しいんですの」
身体は重く、疲労感で一杯なのに、頭だけが冴えてハイテンションな会話がはずむ、共有する事で得た心強さと親族の繋がりが嘘のない暖かさを感じさせるのでした
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