お薬みたい
梅雨の晴れ間が広がるカフェの午後、陽ざしは夏の様に暑い
ドアベルが鳴り、常連のお客様Eriさんがご来店
「暑いですね~コーヒー下さい」
「Eriさん、お久しぶりですね、お元気でしたか」
「ええ、お陰様で、オーナーもお元気そうで何よりです」
濃厚で深い香りが辺りに広がってうっとりする様な表情のEriさん
「お待たせしました、どうぞ」
「いつも本当に良い香りですね」にっこりと微笑み、ひと口
「美味しいです、オーナーのコーヒー、飲みたかったんですよ」
「お忙しかったんですか?」
「そうなんです、このところ仕事が忙しくて」
Eriさんは保育士さん、とても優しい話し方、清らかな笑顔、子供達からも大人気というのも理解できる
「雨が降ると身体がだるくて、ちょっと疲れが溜まってしまっていたみたいです」
「あら、それは大変でしたね、色々と保育園も仕事量が増えているでしょう?」
「そうなんです、お掃除も念入りに除菌したり、子供達と接するにも十分に気を遣ってね」小さなため息
「そうですわね、でも、子供達にも不自由があるでしょうね、お食事とかもね」
「早く、自由に遊ばせてあげたり、お喋りしたりしたいです」
「ホントですわね」
「そんな中でも子供達から逆に気付かされたり、元気もらえるし、幸せな事だと思っています」
「そんなEriさんだから、子供達も嬉しいんじゃないかしら?一緒に過ごした日々はきっと大切な思い出になりますよ」
「そうでしょうか?保育園の時の思い出とかってありますか?あまり覚えていないんじゃないかって」
「小さいからこそ、心に残る思い出ってありますよ、忘れませんわよ」
「オーナーのコーヒーも、オーナーとの会話もとっても癒されます、お薬みたい」
「ふふ、そうかしら」
「あら、今日はNanaちゃんはお休みですか?」
「いえ、今日はお仕事で午後から来る事になってるんですのよ、あら、もうそろそろですわね」
「お仕事に、カフェにと彼女も頑張り屋さんですね」
「ええ、助かっています、あの子が来てからお客様も増えてね、それまでのんびりと私一人でやっていたので、本当はもう一人くらい増やした方がと思いつつ、中々、良い人も見つからなくてね」
「私、誰か当たってみましょうか?アルバイトの方」
「ありがとうございます、もし、いらっしゃったらご紹介下さいね」
「わかりました、友人にも聞いてみます」
美味しいコーヒーと優しいオーナーとの落ち着く会話、疲れた時は、癒しの隠れ家Cafe Kei’sへいらっしゃいませ、きっと解ける様に心が楽になりますよ
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