てんてこ舞いだけど、まぁ、可愛いね
このまま夏に入ってしまいそうな、夏の日差しを思わせる日が続いている
「ランチ前にちょっと買い出しに行ってくれるかしら」
「はーい、了解です」
「これから急な雨もあるでしょうから、ちょっとお客様用の傘も買い足しておきましょうね」
「そうですね、メモに書いておいて下さい、忘れちゃうといけないから」
「はいはい、書いておきましたよ、じゃ、気をつけて行ってらっしゃいね」
Nanaが出掛けてしばらくするとドアベルが鳴り、Konさんが一週間ぶりのご来店
「おめでとうございます!娘さんと赤ちゃんはいかがですか?もう退院されたんですか」
「うんうん、ありがとうね、昨日退院してね、てんてこ舞いだけど、まぁ、可愛いね」
「ふふ、嬉しそうですね」
「わしはあまり役に立たないけど、それでも色々用事を言い付けられてね、あはは」
「今日はいらして大丈夫ですの?」
「ああ、今日はね、婿さんの方に行ってるから、もう、ここのコーヒー飲んでないと調子悪くてたまらんよ」
「あらあら、はい、どうぞ」
「あ~いい香り、改めて感じるね」じっくり味わう様にひと口
「美味いし、オーナーのコーヒーは薬じゃよ、ところでNanaベエは?」
「今、買い出しに行ってもらってますよ、もう、そろそろ戻って来ると頃だと思いますよ」
「いや~淋しかったね~会えなくてさ」
「また、そんな風に呼ぶとNanaに怒られますよ、それも嬉しいんでしょうけど?」
「オーナーにはお見通しだな」
ドアベルが鳴り、Nanaが戻って来た
「あ~Konさん、お久しぶりで~す、おめでとうございます」
「Nanaちゃん、ありがとうね、淋しかったじゃろう?」
「めちゃめちゃ淋しかったですよぉ、あっ、荷物もう一個車に忘れて来ちゃった、取って来ます」
「あはは、よっ!うっかりNanaベエ!」
「もう~その呼び方止めて下さいよぉ」
「いくつも袋持って大変じゃのう」
「そうそう、Nanaの買い物バッグも来週来るから、それまでもうちょっと待ってね」
「わぁ、楽しみだな、嬉しいな、早く来ないかな」
「そういえば、娘も赤ん坊の服だの、オムツだのと袋何個も持って出かけて行ったわい」
「嫌だなぁ、袋じゃなくてバッグって言ってよぉ」
「赤ちゃんとのお出掛けは持ち物も多くて大変ですものね」
「あっ!オーナー、あのバッグ、丁度いいのあったじゃないですか?」
「そうね、赤ちゃんグッズを持ち歩くには都合良いサイズがあったわね、出来上がりは来週ね」
「そうか、戻って来たらちょっと見せてくれるかのぉ、娘に買ってやりたいから」
「お孫さんのお祝いに差し上げますよ」
「いやいや、ちゃんとお金払うから請求してな」
「わぁ、良いお父さんじゃん」
「いやいや、赤ん坊のためじゃよ、うっかり忘れてミルクがなかったりしたら可哀そうだからね」
「娘さんは私みたいにうっかり○○ベエじゃないでしょう?」
「Nanaちゃん、そうすねないでくれよ、またおやつ差し入れするから」
「ん~じゃ、許す、いいよ、美味しいおやつね」
再び、二人のコントの様な楽しいひと時を見ていると穏やかな気持ちになるのでした
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