素敵じゃないですか
Haruさんがカウンターでコーヒーを飲みながらパソコンで作業をしている
「今日は早いですね」
「いつも皆さんをお待たせするからね、早めに来たのよ」
Miyuさん、オープンカーで颯爽と登場、今日は天気が良いので気持ちよさそう
「暑いわね、アイスコーヒー貰おうかしら」
「はいはい、お待ちくださいね」
「Miyuさん、ありがとうね、あれから社員の子と話して、まぁ、社内のごたごたも収まったからさ」
「そう、良かったわ、私は何もしていないけどね、あの後、Shintaro君が話してくれたみたいよ」
「そうそう、わざわざ謝罪の電話くれたわよ」
「さあ、お待たせしましたね、どうぞ」
「あ~喉渇いた、美味しいわ、お替りするから」
「オーナーのアイスコーヒーは濃くてまろやかで美味しいよね、私も飲みたくなった」
「どうぞ、Haruさんの分、ちゃんとありますよ、そう言うだろうと思ってました」
「さすがオーナー、付き合い長いだけあるわね」
ドアベルが鳴り、Shintaroさん、Renさんがご到着、今日は最終サンプルが出来上がってくる日
「お待たせしました、今日は皆さん、もうお揃いですね」
「それじゃ、奥の席に移動しましょうね、コーヒーはお持ちしますから進めて下さいね」
「こちらが最終サンプルになります、ご確認下さい」
「あら、いい出来じゃないの、どう?Haruさん、見て」
「オーナー、サンプル出来て来たわよ、あなたも早く座って」
「はいはい、あら、いいですね、素敵じゃないですか」
「細かいところの確認お願いします、こちらが詳細の寸法表と図面です」
「この辺はHaruさんが一番得意だから見てよ」
「わかってるわよ、どれどれ、うんうん、いいわね、おっけよ、これで行きましょうか」
「じゃ、後は写真撮りなど、日程が決まり次第ご連絡致します」
「よろしくね、Ren君、でも、さすがね、最終サンプルの出来は予想以上よ」
「ありがとうございます、皆さんのご協力とShintaroさんのアドバイスのお陰です」
「いやいや、私は何もアドバイスなんて程の事はしてませんよ、じゃ、この件、後はRenさんにお任せするのでよろしく」
「まあ、仕事が出来る方達は謙虚な事ですわね」
「あの、それから、Haruさん、ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」
「Ren君、もう、片付いた事よ、それに、ちゃんと電話でも謝罪して下さったし、まあ、女の子が多い職場はね、色々と気を遣うのよ」
「私はそんなつもりでは無かったんですが、考えが足りませんでした、本当に申し訳ありません」
「それはそうと、彼女がいるんだって?Ren君」
「あ、いや、もう別れちゃったんですけどね、振られちゃいまして」
「あらまぁ、そうなんですの?それは残念ですわね」
「でもさ、Ren君はイケメンだし、仕事も出来るし、またいい人出来るわよ、ねぇ、元気出しなさいよ」
「Haruさん、ありがとうございます、あ、でも、ちょっと運命を感じる人が出来たんで、全然大丈夫です」
Shintaroさんの眉がほんの微かに動いたのに気が付いたのは私だけだろうか、と思ったら、すかさず、Miyuさん
「うちの娘はダメよ、手、出さないでね、あはは、好みじゃないでしょうけど」
「え?娘さん?あぁ、Nanaちゃんですか、あはは、Miyuさん、怖いなぁ」
「そう言えば、いないわね?今日はお休み?」
「ええ、Haruさん、Nanaはお仕事の方に行ってますよ」
「そうですか、残念だな、会えなくて、ねぇ、Shintaroさん?」
「あはは、そうですね、じゃ、Renさん、社に戻って写真撮りの日程を詰めましょう」
「皆さん、お疲れ様でした、コーヒーもう一杯どうぞ」
「いい香りね、美味しいわ、これ飲んで、もうひと仕事頑張るわよぉ」
何となく、最後で違和感を感じて、微妙な雰囲気になってしまったのを甘く、深いコーヒーの香りがかき消す様に広がって行くのでした
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