それ、最高だわぁ
「先日はお世話になりありがとうございました、今日は娘とお茶しに来ました」
先日行われたミニチュアクレイクラフト教室のKiko先生とその生徒さんの展示会打ち上げパーティーが盛況で、その評判は街でも話題になっていた
「いつも母がお世話になってます、娘のNatsuです」
「いつもありがとうございます、聡明で可愛らしいお嬢さんですね」
「お嬢さんはコーヒーは苦手ですか?」
「ええ、苦いのがちょっと」
「それでいつもミックスジュースを頼まれているんですね」
「カフェモカは飲んだ事はありますか」
「いえ、ないですが、それは苦くないですか?」
「大丈夫ですよ、飲んでみますか?」
「はい、飲んでみたいです」
「とびきり美味しいカフェモカを淹れますね、少しお待ちくださいね」
ランチのお客様の波が引いてひと時のカフェの静けさの中、コク深い香りが流れる
「さあ、どうぞ」
「美味しいです!甘くて、でも甘すぎなくて飲みやすいです」
「それは、良かったですわ」
さっきからNanaが横目で羨ましそうに見つめている事に気が付いていた
カウンターに少し、小さめのカップで置くと目をくるくるとして喜んでいる
「なんでも経験だから飲んでみるといいわよ」
ニコニコしながら美味しそうに飲む姿はいつもながら微笑ましい
「このカフェモカはきっとNanami君も好きだと思うな、今度来たら教えてあげようっと」
「そうね、きっと気に入るわね」
夏を思わせる陽ざしが優しくなり、お陽様が傾き始めると、仕事帰りのお客様がカフェの扉を開ける
コーヒーの香りと深い味わいで今日一日の疲れを癒している様に見える
ドアベルが鳴り、珍しい時間にMiyuさんがご来店
「まだ、いいかしら?ちょっとなんか食べるものある?」
「Miyuさ~ん、残業ですかぁ?お疲れ様です」
「お食事まだですの?」
「うんうん、お腹空いてるからなんでもいいわ」
「じゃ、ランチで出したミネストローネがあるから野菜たっぶりのリゾットはどうかしら?」
「それ、最高だわぁ」
「あぁ~私も食べたいです!それ絶対美味しいですよ」
「はいはい、すぐ出来ますよ、もう少しでShintaroさんも来る頃ね、彼の分も用意しましょうね」
ドアベルが鳴りShintaroさん、「お疲れ様です、今日も賑やかですね」
「ごめんねぇ~Shintaro君、お邪魔しちゃってるわよ」
「いえいえ、Miyuさん、こっちの仕事の遅れで、今日はご迷惑をおかけしました」
「そうよ~ で、今から夕食よ?」
「ホント、申し訳ないです」
「あはは、うそうそ、冗談よ、Shintaro君もご飯まだでしょ?一緒に食べよ!ちゃんと用意してあるわよね?オーナー?」
信頼の絆で結ばれた仲間が、一日の終わりに他愛のない事で笑い、寛ぎ、癒される、ここ、カフェケイズはそんなカフェなのでした
コメント