縁は続いているんですね
「ふ~ん、そうだったんだぁ」
意地悪そうな笑みを浮かべたNanaがShintaroさんを見て、指で胸の辺りをつんつん
「何か言ったらどう?」
ちょっと引き気味でNanaの攻撃を甘んじて受けているShintaroさん
「ふふ、そんな大昔の記憶ですよ、お止めなさいな」
「ちぇっ、せっかくいつもの仕返しが出来ると思ったのにな」
「ところで、姉上様、王様のご逝去の後、反乱の黒幕の中に王様付きの家臣がいたというのは本当ですの?」
「そうね、その家臣が廃妃様のご子息を新しい王様に担ぎ上げようとしていたの」
「やっぱりあの噂は本当だったのかしら?廃妃様に子供がいたというのは」
「そうみたいね、でも、でっち上げじゃないかと言っていた家臣もいたわ」
「急遽、王妃様が王様の代理となったでしょう?その後はどうなったんですか?」
「そうか、NanaとShintaro君は知らないのよね、あの後の事」
「護衛隊長がそのまま王妃様の護衛を引き継いでね、お命を守るために、旦那様と相談して、王様の血縁に嫁がれた姉上様がいたんだけど、そのご子息に王位につかせるという提案をしたの」
「私もそれが一番いいと思っていたわ、私は一時といえど、王様に代わって摂政するなんて自信もなかったし」
「そうだったんですね」
「Nanaも知っている人ですよ、現世でも身近に居る人なの」
「え?誰ですか?カフェに来るお客様って事ですよね?」
「ええ、カフェの裏の、ほら、会社を経営しているご兄弟」
「おぉ~TakaさんとSouさんですね」
「兄弟で協力して、混乱を収めてくれると思ったんですよ」
「そうね、王様の純粋な血族だから、家臣達からも異論はないだろうと思ったわ、それに、真面目でしっかりした青年達で申し分ない人物よ」
「なんだか、知らなかったけど、縁は続いているんですね、不思議….」
「そうね、身近な所に沢山繋がりがあるわよね」
「大臣も近くにいらっしゃったらどうします?姉上様」
「あぁ~言ったら駄目ですよぉ、王妃様」
「どうして?言ってはいけないのかしら?」
「ん?何?近くにいるの?どうして言ったらだめなの?Nanaは知っているんでしょ?」
「え~だってぇ、Shigeさんはさぁ、Miyuさんカッコイイ女性だって、目がハートになっていたもん」
「あら、会った事があるの?Shigeさん?」
「この前、カフェのカウンターで、母上は憶えてないの?」
「ああ、そういえば、でも、顔見てないわ」
「ふふ、姉上様らしいですわね、大臣が姉上様とお茶会で会って、是非、縁談をと言われた時もよく覚えていないって、顔忘れたって言っていましたのよ」
「そうだったっけ?旦那様は本当は大臣ではなくて医官を目指していらしてね、志の高い方だったのよ、Shigeさん?だったけ?その人は何をしている人なの?」
「え?そうなんだ、うーん、言えない、てか言わない!」
「まぁ、意地悪な子ねぇ」
「だって….」
「そうじゃないんだよな、Nanaは心配なんだね、皆を巻き込んでしまうのが怖いんだろ?」
「どういう事なの?」
「そろそろ、戻った方がいいんじゃないかしら、だいぶ時間が経っているでしょう?Shintaroさん」
「そうですね、一旦カフェに戻って、それからにしましょう」
話しの途中で切られて少し、不満そうなMiyuさん、まだ、前世の記憶と現世の行き来に戸惑いながらも頷くのでした
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