49th Episode 『意外な一面【An unexpected side】』

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結構、お茶目なのね

薄曇りの空は星も見えない、少し肌寒く季節が逆戻りしている

「なんか寒くないですか?」

「もうちょっと厚手の上着を着てくればよかったわね」

「さあ、そろそろ外のライト消して看板も入れましょうね」

「はーい、あっ、Miyuさんの車が入って来ましたよ、早いですね」

「そうね、夜も来るって言ってたわね」

ドアベルが鳴り、Miyuさんが入って来た

「ちょっと事務所で残り仕事片付けて来たわよ、コーヒーちょうだい」

「あらあら、お休みの日までお疲れさまでしたね、今、淹れますからね」

「疲れが取れる様な濃いのがいいわ」

「そうですね、コクが深いカカオの風味が感じられるコーヒーにしましょうか、疲れも癒されますよ」

「聞いただけで美味しそうですよね、Miyuさん」

「気が合うじゃないの、ところで、Shintaro君はまだ?」

「ん~、もうそろそろだと思いますよ、って言っていたら車、来たみたいです」

「お客様のお土産で頂いたお菓子あったでしょう?みんなで頂きましょうか」

「わーい、やった~あれれ、これって和菓子なのか、洋菓子なのかどっちだろ?」

「最近、こういうお菓子多いわよね、外側はカステラの様なパンケーキの様な、中身はホイップと粒あん」

「お~いし~い!」

「あら、もう食べてるの?お掃除して手洗った?」

「ん?あ~~忘れてた~」

「もう、Nanaったら慌てなくてもちゃんと数ありますよ」

静かにドアベルが鳴り、Shintaroさん、ちょっとお疲れの様子

「Shintaro君、今日もお仕事だったの?お疲れ様ねぇ」

「Miyuさん、こんばんは、Miyuさんこそ、お仕事してたんじゃないですか?」

「もしかして、Shintaroさん、お食事まだでしたの?何かすぐ用意しましょうね」

「あ、いえ、大丈夫です、ちょっと寄って来たので済ませて来ました」

深く、甘く香ばしい香りが立ち込める

「あ~疲れた体に、この香りは効くわね~」そう言って、溜息をひとつ、そしてひと口

「んんん~沁みるわね~美味しいわぁ」

「Miyuさんはフルーティーで酸味系なのが好みだけど、たまにはこういうのも良いでしょう?」

「おや、私の好みをいつの間に習得したのよ?益々、オーナー2号じゃないのよ」

「あっははは、オーナー2号!でも、オーナーのエレガントさは全然無いですけどね」

「むぅ~何よぉ、Shintaroさん、ちょっと言い過ぎじゃない?」

「あっははは、ごめん、ごめん、つい」

「ふんっ、つい何よ、本音が出たって言いたいんでしょう、どうせ、私はエレガントじゃありませんよぉ~だ」

「まぁまぁ、仲良くコーヒー飲んで下さいな」

「それはそうと、今日はね、Shintaro君、ちょっと聞きたい事があって寄ったのよ」

「え?私にですか?」

「うんうん、Haruさんがね、売り場の社員の事で心配していてね、Ren君の事なんだけど、何人もの女の子と噂があって、どうも社員同士で揉めてるみたいなんだよね、なんか聞いたこと無い?」

「えぇ?そうなんですか?いやぁ、でも、Renさんはお付き合いしている彼女がいるって言ってましたけど、違うのかな」

「え、そうなんだ」

「ええ、最近はどうかわかりませんが、そんなに前に聞いた話しでは無いですよ、3か月前くらいかな」

Nanaの顔が曇っている事に気が付いて、Shintaroさんが、Nanaの髪をひっぱる

「いてっ、なぁにぃ?」

「夜遅くにそんな甘いの食べて大丈夫?太るよ?」

「デブデブになりたいから食べてるんですっ!」

「あらまぁ、ご機嫌斜めです事ね」

「なんかさ、Shintaro君の意外な一面見た気がするわ、お仕事出来るエリートビジネスマンってイメージだけじゃないんだね、結構、お茶目なのね」

「いやだなぁ、Miyuさん、エリートなんかじゃないですよ」

ほのぼのとした風景、きっと、この二人はアメリカにいた頃、こんな風に自由に、楽しく過ごしていたんだろうなぁと思うのでした

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