46th Episode 『心繋がる仲間【Know-hearted buddies】』

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コーヒーで生き返った

朝の爽やかな空気が心地よい、最近のお天気は、雨が降ったり、曇ったり、晴れたりと日々忙しく変化している

「Konさん、今日はNanaはお仕事で夕方にならないと来ませんよ」

「そうかい、淋しいねぇ、明日にするか」

毎日のルーティーンの一部になっているのか、決まった時間に来店し、決まった時間にお帰りになる

「Romiさん、もうそろそろ落ち着いて来たので、大丈夫よ」

「そう?Nanaちゃんが戻るまで手伝ってもいいよ」

「でもお店の方はいいのかしら?」

Romiさんは3軒ほど隣の手芸用品店で働いている、元々はお母さんのToyoさんがオーダーメイドの洋品店をやっていて、今は叔母さんのFujiさんと一緒に洋裁、和裁の教室をしている、そして、Romiさんは手芸用品で販売する方の仕事をお手伝いに来ているのだ

「ランチも頂いちゃった事だし、いいわよ、暇だからどうせ、でも、Nanaちゃん、朝来て、中抜けしてまた戻るって結構大変じゃないの?」

「ええ、そうよね、誰かもう一人来てもらった方がいいかしらっと思っていたのよ」

「ランチ以外の時間も言ってくれれば、私、来てもいいよ」

「ありがとう、いつも助かってます、でも忙しい時もあるでしょう?」

「そうも忙しい事ないわよ、それに叔母さんもいるから」

「今すぐにではなくても、誰かアルバイトしてくれる人、探してみるわ」

「募集してみたらどう?」

「そうねぇ、Nanaとも相談してみるわね、さ、食事の後のコーヒーいれましょうね」

「うわぁ、これがカフェの辞められないところよね、美味しいコーヒー、頂きますよ」

「あのぉ、すみません、ちょっとお二人のお話し聞いちゃったんですけど、アルバイト探してますか」

その声に振り向くとすら~っとした女性が立っている、よく見ると、奥の席に一組の女性3人のお客様がいらっしゃっていた中のお一人だ

「あら、お仕事をお探しですの?」

「あ、私じゃないんですが、友達がバイト探してて」

「そうなんですか、お客様、時々いらっしゃっていただいてますよね、そのお友達もいらした事があるのかしら?」

「ええ、随分前に連れてきた事はあります、でも、ここ最近は来てないので」

「そうなんですの、今、ちょっと出てるんですが、一人アルバイトに来てくれてる子がいて、その子のお休みの日とか、どちらか入れ替わりでと思っているので、毎日じゃないけどいいのかしら?」

「そうですか、一度、本人に聞いてみますね」

夕陽が西の空を染める頃、午後のお茶の時間もそろそろ終わり、お客様の波も引いて静かになる

急いで帰って来た事を知らせる様に無造作にドアベルが鳴り、Nanaが戻ってきた

「あ~Romiさん、まだ、いて下さったんですか?ありがとうございました、お店の方は大丈夫ですか」

「全然、大丈夫よ、今、美味しいコーヒーを頂いたとこよ、Nanaちゃん帰って来たから戻るわ、テイクアウトしてくから、今日のデリバリーはいいわよ」

「ありがとうございます、さっ、Nanaもお疲れ様、コーヒー飲んでからでいいわよ」

「は~い、もう、飲みたくて、頭の中、コーヒーだらけになってました」

「Nanaちゃんは相変わらず面白くっていいわ、あははは」

甘く、深いコーヒーの香りにうっとりしながらひと口

「あ~美味しい、オーナーのコーヒーで生き返った~」

「あはは、オーナーが可愛がるのがわかるわ」

「そうでしょう?ふふ」

「あ、でも、ToyoさんとFujiさんの顔見たいし、私、これ飲んだら、持って行きますよ」

「そう?今日は生徒さんが3人来てるから、じゃ、5つでいいわ、私もう頂いちゃったし」

「了解でーす、じゃ、また後で」

美味しそうにコーヒーを飲む姿を見ながら、ふと思う、Nanaは誰かもう一人アルバイトを探すというと何というだろうか、あまり良い返事が返って来ない気がするのでした

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