38th Episode 『くつろぎのカフェ【Chilling Cafe】』

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それ、最高だわぁ

「先日はお世話になりありがとうございました、今日は娘とお茶しに来ました」

先日行われたミニチュアクレイクラフト教室のKiko先生とその生徒さんの展示会打ち上げパーティーが盛況で、その評判は街でも話題になっていた

「いつも母がお世話になってます、娘のNatsuです」

「いつもありがとうございます、聡明で可愛らしいお嬢さんですね」

「お嬢さんはコーヒーは苦手ですか?」

「ええ、苦いのがちょっと」

「それでいつもミックスジュースを頼まれているんですね」

「カフェモカは飲んだ事はありますか」

「いえ、ないですが、それは苦くないですか?」

「大丈夫ですよ、飲んでみますか?」

「はい、飲んでみたいです」

「とびきり美味しいカフェモカを淹れますね、少しお待ちくださいね」

ランチのお客様の波が引いてひと時のカフェの静けさの中、コク深い香りが流れる

「さあ、どうぞ」

「美味しいです!甘くて、でも甘すぎなくて飲みやすいです」

「それは、良かったですわ」

さっきからNanaが横目で羨ましそうに見つめている事に気が付いていた

カウンターに少し、小さめのカップで置くと目をくるくるとして喜んでいる

「なんでも経験だから飲んでみるといいわよ」

ニコニコしながら美味しそうに飲む姿はいつもながら微笑ましい

「このカフェモカはきっとNanami君も好きだと思うな、今度来たら教えてあげようっと」

「そうね、きっと気に入るわね」

夏を思わせる陽ざしが優しくなり、お陽様が傾き始めると、仕事帰りのお客様がカフェの扉を開ける

コーヒーの香りと深い味わいで今日一日の疲れを癒している様に見える

ドアベルが鳴り、珍しい時間にMiyuさんがご来店

「まだ、いいかしら?ちょっとなんか食べるものある?」

「Miyuさ~ん、残業ですかぁ?お疲れ様です」

「お食事まだですの?」

「うんうん、お腹空いてるからなんでもいいわ」

「じゃ、ランチで出したミネストローネがあるから野菜たっぶりのリゾットはどうかしら?」

「それ、最高だわぁ」

「あぁ~私も食べたいです!それ絶対美味しいですよ」

「はいはい、すぐ出来ますよ、もう少しでShintaroさんも来る頃ね、彼の分も用意しましょうね」

ドアベルが鳴りShintaroさん、「お疲れ様です、今日も賑やかですね」

「ごめんねぇ~Shintaro君、お邪魔しちゃってるわよ」

「いえいえ、Miyuさん、こっちの仕事の遅れで、今日はご迷惑をおかけしました」

「そうよ~ で、今から夕食よ?」

「ホント、申し訳ないです」

「あはは、うそうそ、冗談よ、Shintaro君もご飯まだでしょ?一緒に食べよ!ちゃんと用意してあるわよね?オーナー?」

信頼の絆で結ばれた仲間が、一日の終わりに他愛のない事で笑い、寛ぎ、癒される、ここ、カフェケイズはそんなカフェなのでした

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