21st Episode 『天使のお守り【 Guardian Angel】』

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笑い声とお喋りが満開

桜の開花が待ち遠しい今日この頃、「ま~だだよ」と言わんばかりに昨夜から冷え込んでいる

窓の外はどんよりと曇りがち、しかし、カフェの店内は真逆の賑やかな笑い声とお喋りが満開

今日は ”ガーディアンエンジェルタイム” の日、赤ちゃんの泣き声やら、子供たちが遊ぶ声が響いている

カフェケイズは週に一度、水曜日の午後の3時間、子供連れのお客様歓迎のコーヒータイムがある

もちろん、一般のお客様も大歓迎、ただ、「小さなお子さんや赤ちゃんがいっぱいいますよ、泣く事もありますよ、といった状況への理解をお願いしますね」という事をエントランスにアナウンスしている

子育て中のお母さんにも美味しいコーヒーで「ホッ」とひと息、癒されて欲しいというオーナーの気持ちから始まった

常連客のMiyuさんの会社にもスタッフとして沢山のお母さんが働いている

会社のイベントのお菓子の一部を提供してくれたり、そのお母さんスタッフが焼いてくれたカップケーキなど、おやつとして子供達に喜ばれている

「美味しいコーヒーを飲みたくても、カフェとかだとちょっと躊躇してしまいますけど、こんな時間があるのは嬉しいですよね」

「家では中々、自分でコーヒー点てて飲むなんて時間もないしね」

同じように子供を連れたお母さん方の息抜きとしてお喋りを楽しんだり、知らない同志の子供たちが仲良くなる様子を楽しんだり

時には泣いている赤ちゃんを他のお母さんがあやしている姿も見られるし、喧嘩の仲裁を少し上の子供がやっている姿などをみて拍手が起こったり

最近ではお父さんがひと時の安らぎを求めて子供達を連れて来る事もある

相談事も愚痴もあるけれど、帰る時には皆、笑顔で「また、来週ね~」そう言って帰って行く

皆を送りながら、オーナーはそんな皆さんを応援する一人でありたいと願っている

あっという間に過ぎていく時間、心地よい静けさが戻って来て、カウンターで残ったカップケーキを食べているNana

余程、お腹が空いているのか、口いっぱいに頬張っている

「このカップケーキ、美味しいですよ!オーナーも食べません?」

そう言いながら、次のカップケーキに手を伸ばしている姿にクスッと笑いながら

「全部食べていいわよ、お疲れ様ね」

今日のコーヒーを出す

「これを待ってました、ふふっ」

「はぁ~、軽やかな酸味が体の隅々にまでしみ込んで、レモンになった気分です」

いつもの様に面白い感想と言いたいところだけれど、今日はそのまま、大当たりのNanaなのでした

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