113rd Episode 『再びアメリカへ【Back to the United States】』

seaside-morning-ck
目次

誰にも止める事は出来ないさ

陽の光がキラキラと窓を照らす朝、カフェには涼しい風が吹いて過ごしやすい季節

「朝晩はぐっと涼しくなりましたよね」

「そうね、モーニングコーヒーも美味しく頂けるわね」

エントランスの花壇を管理してくれているKatsuさんが声を掛ける

「おはよう、時季の花を少し入れておいたよ、Nanaちゃん、後、残りの水あげを頼むよ」

「は~い」

「いつもありがとうございます、ささ、ひと休みして行って下さいな」

甘くコク深い香りが朝のカフェに広がっている

「ありがとう、あぁ、良い香りがするね、一杯頂くとするか」

「Nanaちゃんが、また、アメリカに行っちゃったら花壇の花も淋しがるなぁ、ねぇ、オーナー」

「え?アメリカ?Nana?」

「うん、今、聞いたんだよ、オーナー聞いてないの?」

「お水あげて来ました~お花が喜んでいましたよ、うふふ」

呆然とNanaを見つめるオーナーKei

「ん?どうしたんですか?オーナー?」

「ねぇ、どういう事なの?アメリカって」

「え?あっ、あぁ、今日お話ししようと思っていたんです」

「Nanaちゃん、オーナーに話していなかったのかい?悪い事したかな、さっき聞いた話しをしてしまったよ」

「いえいえ、Katsuさん、オーナーとMiyuさんが一緒に居る時に話そうと思っていたので、遅れちゃって」

「Miyuさんに来てもらいますわ」

すぐ、電話を入れるオーナーKei

Miyuさんの影響か、最近の行動力がアップしている

「Nanaちゃんが考えて決めた事だ、誰にも止める事は出来ないさ、なぁ、Nanaちゃん?」

「Shintaroさんは何て言ってるの?一緒に行くの?」

「まぁまぁ、落ち着いて、オーナー、ちゃんと話すって言ってるんだから」

「Shintaroさんにはまだ話していませんけど、今晩、話そうと思っています」

「私はそろそろ店に戻るから、ゆっくり話しをするといい、でも、オーナー、Shintaro君とNanaちゃんが決める事だよ」

「ええ、分かっていますけど、でも、あまりに突然で」

「そうだね、Nanaちゃんもオーナーの気持ちはわかってあげなさい」

静かに頷いてKatsuさんを見送りながら、何をどう話をしたら良いのか迷っていた

「オーナー、ごめんなさい、一番最初にお話ししようと思っていたんです、でも、言い出せなくて」

「いいえ、いいのよ、切り出しにくいわよね、わかっているのよ、でもね、ちょっと」

そう言って黙り込んでしまったオーナーKei

Nanaは自分が考えている以上に、オーナーKeiやMiyuさんにとってはショックである事を知らされるのでした

cafe-kei's-squ
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

目次