コーヒーのある生活って豊かだなぁ
「陽が短くなって来ましたわね」
「もう少ししたら会社帰りのお客様がいらっしゃる時間ですね」
「雨、降って来るのかしら」
ドアベルが鳴り、常連のお客様、Jinさんのご来店
「あら、Jinさん、お疲れ様ですわね」
「どうも、オーナーの美味しいコーヒー飲んで帰ろうと思って」
「まぁ、嬉しいですわ、いつもありがとうございます」
「Jinさん、いらっしゃいませ、今日は早いですね?」
奥のホール席を片付けていたNanaが戻って来た
「うん、今日はちょっと早く仕事が片付いたんだ、コーヒー飲んで帰ろうと思ってさ」
甘く、香ばしい香りが辺りに広がると、うっとりとした顔になり香りを楽しんでいるのかわかる
「さぁ、どうぞ、お待たせしました」
小さく頷きながらひと口
「ふぅ、美味しいな、仕事帰りのコーヒーっていいなぁ」
「そうでしょう?ふふ、皆さん、そうおっしゃいますよ」
「毎日来られるといいんだけどな」
「毎日、お仕事遅いですものね」
「Jinさん、今日のコーヒーね、ソルジャーコーヒーさんの豆だよ、美味しいでしょう?」
「うん、美味いコーヒーだ、しっかりと飲みごたえのある味だね」
「酸味、甘味、苦み、香ばしいコクも全部あって、でも、ちゃんと調和している、豊かな味わいのコーヒーですわね」
「カフェケイズでお手伝いする様になって、コーヒーのある生活って豊かだなぁ~って思うんですよね」
「ふふ、そんな嬉しい事言ってくれるのね」
「オーナーを見て色々と興味を持って、まだまだ、だけど、ちょっとづつわかって来た事もあるんですよ」
「そうかぁ、Nanaはオーナーが大好きなんだね」
「そうですよ、み~んなオーナーが大好きですよ」
「まぁ、Nanaったら」
「ん?何だかJinさん、元気ない?疲れてる?」
「いや、そんな事ないよ、たださ、Nanaの光って本当に綺麗な七色だなって思ってさ」
「ふふ、Jinさん、人前でそんな事言ったら、おかしな人だって思われますわよ、見える人は少ないんですからね」
「いやぁ、ホントだね、気を付けないとな、あはは」
「それって喜んでいいのかなぁ、色が綺麗って言われるとさぁ、なんだかなぁ」
「そりゃ、褒めてるに決まってるだろう?」
「そっか、ならいいや、許す」
「あっははは、許す、かい?Nanaには負けるよねぇ、オーナー」
微笑んで頷く、そして、少し前のあの出来事を思い出していた
透き通った綺麗な七色が、フワフワと彼女を包んでいるのを見て、嬉しくも有り、また、見えない不安も少し残る
「オーナー、Jinさんのコーヒー、もう無くなっちゃったよ、お替り用意しないと」
「あらあら、すぐ、淹れますわね」
「いいの?嬉しいな、美味いよ、ほんと」
ドアベルが鳴り、カフェは会社帰りのお客様で次々と席が埋まって行く
コーヒータイムの後の静かなひと時はあっという間に通り過ぎて行くのでした
【Good coffee at Coffee Soldier’s】
前回に引き続き、コーヒーソルジャーさんのコーヒーのご紹介です
今日のコーヒーはCoffee Soldier ブラジル サンベネディート農園 です
*明日のOwner Kei’s Choiceのコーナーでは、コーヒーに真摯に向き合う、Coffee Soldierのこだわりにフォーカスして行きますよ、お楽しみに!
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